PET
特長 | 注意点 |
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単位 |
ASTM 試験方法 |
ナチュラル |
ガラス繊維充填30% |
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透明性 |
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― |
― |
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比重 |
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D792 |
1.29~1.40 |
1.55~1.70 |
引張強さ | MPa |
D638 |
48~73 |
138~166 |
破断時伸び | % |
D638 |
30~300 |
2.0~7.0 |
引張弾性率 | MPa |
D638 |
2800~4200 |
9000~9900 |
圧縮強さ | MPa |
D695 |
76~103 |
173 |
曲げ強さ | MPa |
D790 |
96~131 |
207~248 |
衝撃強さ アイゾットノッチ | J/m |
D256 |
14~37 |
85~118 |
硬さ ロックウェル |
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D785 |
M94~101 |
M90~100 |
硬さ ショア |
|
D2583 |
― |
― |
線膨張率 | ×10-5/℃ |
D696 |
6.5 |
1.8~3.0 |
荷重撓み温度1.81MPa | ℃ |
D648 |
21~38 |
210~227 |
耐熱温度(連続) | ℃ |
― |
―― |
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体積抵抗率 | Ω・cm |
D257 |
― |
― |
絶縁破壊強さ | kV/mm |
D149 |
― |
17~26 |
誘電率 | 106Hz |
D150 |
― |
― |
耐アーク性 | sec |
D495 |
― |
― |
吸水率(24h) | 重量% |
D570 |
0.10~0.20 |
0.05 |
燃焼性 | mm/min |
D635 |
― |
― |
耐酸・耐アルカリ性 |
|
D543 |
― |
― |
耐溶剤性 |
|
D543 |
― |
― |
【引用資料】「プラスチック読本」(2014)プラスチックス・エージ発行
- 機械カバーにPETを使用しています。穴あけしてボルトにて固定したら翌日クラックが発生しました。どうしてでしょう?
- 考えられる原因の一つに、ケミカルストレスクラックがあげられます。
ケミカルストレスクラックは、樹脂の引張強度以下の引張応力で発生する脆性破壊の一種です。プラスチック成型品において、引張応力発生箇所(荷重がかかっている箇所)に薬品が付着・接触した場合、時間の経過に伴って薬品と応力との相乗作用から亀裂が発生する現象をケミカルストレスクラック現象といいます。ケミカルストレスクラックの発生メカニズムについては、応力存在下(荷重がかかっている状態)で分子間に隙間が生じ、この隙間に薬品が浸透し、分子間凝集力(分子間の強い結びつき)が低下し、分子のすり抜けが起ることによりクラックが発生する、と言われていますが完全に解明されていません。ケミカルストレスクラックは、薬品と応力のどちらか一方を排除すれば、発生しないといわれています。環境条件に薬品が該当しない場合は、ストレスクラックも考えられます。ストレスクラックとは、外部応力や成形加工による残留応力により発生する亀裂のことで、主に環境応力に起因するものと、熱応力に起因するのもに分けられます。
今回の場合、ご自身でPET材に穴あけをする際にドリルの切れが悪かったことが原因で、小さなクラックが発生し、ボルト締めによりクラックの拡大が助長されたということも考えられるのではないでしょうか。
- 機械カバーに塩ビを使用していますが、納入先より廃棄のことを考慮して別材での製作要求がありました。何かありますか?
- 塩ビは焼却の際にダイオキシンを発生することから環境性を考慮して塩ビ材から別材へ切り替えることが多く見られます。安価で加工性も良いことからPETを選ばれることが多いです。
- A-PETとG-PETがありますが、どう違うのですか?
- A-PETとは、Amorphous(非結晶) PETの意味です。「結晶性樹脂」に大別されるPET樹脂は、外部から加熱することにより非結晶から結晶へと変化します。結晶化が起こると、元々透明色であったものが白濁して表面硬度が上昇し、また、耐熱温度も70℃から220℃に上がります。この特性を利用して、結晶化させたPET樹脂をC-PET(Crystallized (結晶)PET)と呼んでいます。このC-PETと区別するため結晶化していないPETはA-PET(Amorphous(非結晶) PET)」と呼ばれています。A-PETの特長に溶剤接着が出来ないことがあげられます。また、G-PETと比較して安価で、幾分、耐熱性にすぐれます。PETはポリエチレンテレフタレートとエチレングリコールの重合物なのですが、非結晶化するために、このエチレングリコール(EG)の一定含量をシクロヘキサンジメタノールで代替した、グリコール変性ポリエステルが、G-PETになります。シクロヘキサンジメタノールが添加されることによって成型性が改善され、衝撃強度も向上しています